まもなく(恐怖の?)冬休みに入りますね。
冬休み中に、アトピーを何とかしたいな…。お正月には親戚もあつまるし…。出かけるし…。
とお考えの親御さんもいらっしゃることと思います。
学校でのストレスもなく、食事も管理しやすく、かきむしっていたら注意しやすい冬休みは、がっちり気合を入れて集中して治療する絶好のタイミングです。
ただし、クリスマス、お正月という難関も待ち受けています。
そこで、アトピーが悪化する仕組みをここで説明しておこうと思います。
これを読んで、「何が何でも治療する!」のか、「悪化しなければいいな~」というレベルにしておくのか、「お医者さんに出してもらったお薬と併用で…」といくのか、「小児はりも行ってみようかな」と考えるかはお任せいたしますm(_ _)m
小川が行っている経絡治療では…
皮膚をつかさどっている『肺』の働きが悪いために、陽気がうまく発散されず、陽気の循環が滞った場所に停滞して発疹や水疱を作る
と考えています。
陽気の発散がうまくいかないのは『肺』だけではなく、胃腸の消化吸収の働きに関わる『脾』の弱さも関係してきます。
停滞した熱が、『血』や『津液』といった体のうるおい分を煮詰めてしまうために、さらに炎症を悪化させてしまうということもおきます。
ジクジクした汁が出ているのに、他の部分は乾燥してガサガサとうお肌になっている、というのが特徴的な症状ですね。
ここまで書いて、アトピーの人に寒がりでせっかち、または根を詰めて何かをするのが好きな人が多い理由が理解できた方は、なかなかの東洋医学通!
要するに、体の中はこのように↓なっているのです。
赤い部分が陽気、青い部分が陰気です。
みなさんがよく、「冷える」「寒い」と言っているのは、外側の部分。
内臓に温痛覚はありませんので、内臓に熱がこもっていても暑いと感じません。
内臓の熱が伝わって、胸や頭が暑くなったり、のどが渇いたりはします。
逆に、皮膚は温痛覚を感じるので、外側が冷えると「寒い」と感じます。
これは、舌を見るとわかりやすいです。
寒いけど、舌を見たら真っ赤であれば、この外寒内熱のパターンと思ってもいいでしょう。
舌が白っぽかったら(苔ではありませんよ!)本当に、体の芯から陽気不足です!!
このタイプの人に、辛いもの、油っこいもの、塩からいもの、甘いものを食べさせると、陽気の勢いが増してしまいますのでNGです。
ケーキ、フライドチキン、フライドポテト、焼肉(特に牛や羊)…。これに当てはまりますね。
お餅も、ハイカロリーなので、キケン。
じゃぁ~冷たいものはどうか?というと、冷たいものが体の中に入ってくると、人間は必死に体を温めようとして熱を発生させます。
これまたNGなのです…。
氷を入れたジュース…。
生もの全般も冷やすので、お刺身、お寿司、生野菜のサラダ(特に生のトマトやキュウリ)。
どちらにも当てはまるのが、アイスクリーム。
なぜか北海道人、冬にアイスにはまる人が多い!!
アイスクリームのケーキなんて言うのも、クリスマス限定で出てくるし!!!!
そして、何よりも食べ過ぎてしまいます!!
(特におじいちゃん、おばあちゃんの家に遊びに行くと…←うちだけじゃないよね!)
お腹いっぱい食べてしまうと、胃腸の働きは鈍るので、処理しきれない食べ物が胃腸に溜まって腐敗していきます。
腐敗すると熱をもつので、どんどんこの状況がすすむのです。
とり過ぎキケンな食べ物をリストアップしておきますね。
甘いもの・・・腸にベトベト張り付いて動きを鈍らせます。
油っこいもの・・・腸に張り付いて重たくなります。
肉類・・・消化できるサイズにほぐすのに物凄くパワーと酵素を必要とします。豚はいいけど、牛は控えましょう。
香辛料・・・熱を持ち、胃腸の粘膜を痛めます。治したいならフライドチキン、唐揚げはNG!
外食、加工品・・・インパクトの強いものを感じ、過食の原因にもなります。どうしても、胃腸に負担となる食べ物が多くなってしまいます。クリスマス、お正月のご馳走はなるべく手作りで。
化学調味料・・・胃腸の粘膜を痛めます。ついつい取り過ぎていることが多いので要注意。
牛乳、乳製品・・・日本人は乳糖を分解する酵素がありません。治したい方は、ケーキはやめておきましょう。
魚介類・・・人間が進化の過程で、1番最初にお別れをした動物が魚介類です。そのため“異物”と感じやすいのです。
生もの・・・火が入る=消化の手伝いとなります。それが省略された状態です。
冷たいもの、冷凍もの・・・胃腸を冷やしてしまうと、働きが一気にダウンします。
アルコール類…お子さまはお酒を飲みませんが、醤油のラベルをくまなく見たことがありますか?ほとんどの製品にアルコール入っています。お醤油味の料理が増えるお正月、使うお醤油のラベルをちょっと見てみましょう。(←ちなみに、口の周りにお醤油が付くと痒くなっていた小川、お醤油変えたら大丈夫になりました。意外と盲点です)
お正月は、野菜をたっぷり入れた鍋や、煮物、大根なます、煮豆をよく噛んで食べましょう。
長芋もおすすめです。大みそかは天ぷらそばよりも、とろろそばで。
お餅は控えめに。
おやつは、みかんで。
陽気と陰気を程よく混ぜ合わせるには、気血津液のバランスがとれた体が必要です。
バランスを取るためには、気が身体中を巡って血を運び、体を温めています。
では、どうやって気を巡らせたらよいのでしょうか?
①早寝早起き
朝は7時頃に起きて、夜は21時までには寝ましょう。
冬休み中はどうしても夜寝るのが遅くなります。
見たいテレビ番組は録画してあげる。
とりあえず一緒に寝てしまう。
など、工夫をしましょう。
ある程度大きくなると、「サンタさんが来ないよ!」なんて言うのは…通用しません。(←いつまでも通用してしまうのも考えものですよ~)
②しっかり防寒対策をして外で体を動かす。または雪かきのお手伝いをする。
適度に体を動かすと、気が巡るので陰気と陽気が混ざります。
汗をかいた時は、きちんと着替えましょう。
また、汗をかいた直後は熱くても、このタイプの体質の子は急激に体が冷えます。
半袖、裸足でフラフラしていたら、せっかく巡った気やうるおいが発散して逃げてしまうので、きちんと服を着せましょう。
③お風呂は暑すぎないお湯でしっかりと。
お湯が熱すぎると、お肌に負担です。
うるおいも逃げてしまいます。
温泉に出かけて、お湯が熱すぎる場合は要注意。
熱いお風呂が好きなおじいちゃんと一緒に入浴も危険です。(←おじいちゃんも危険だけど)
④ゲーム、スマホは見ない!
サンタさんに、ゲームをお願いするのはキケンです…。
冬休み中にうるさいからとゲーム機に子守をまかせると、途端に悪化します。
陽気が頭に集中しやすく、ただでさえ巡りの悪い気がさらに滞ってしまいます。
しかも、目は大量の血を消耗するため、ただでさえ血を消耗しやすい体質の子が、さらに消耗してしまうことになります。
血が不足すると、皮膚を修復するために必要な栄養も運ばれにくくなるのです。
また、夕方以降にゲームなどをすると、脳が興奮して眠りの質も悪くなります。
「副腎のお薬を使っていると、肝虚熱証、腎虚熱証に進行し、血虚の症状になる」というのが、経絡治療の考え方です。
この証になると、陽気を抑えられなくなって心や頭に上り、ゆらゆら揺れるために、じっとしていられなくなったり、集中力がなくなるのです。
お薬を使って押さえている状態は、まだ完治とはいえません。
症状が見えなくなって、薬も必要なくなってはじめて完治と言えます。
冬休みを利用して、胃腸の調子を整え、体を動かして体力を付けましょう。
規則正しい生活で、陰陽のバランスがとれた体をめざしましょう!小児鍼もおすすめです。