Q:毎年予防接種を受けるのになぜインフルエンザにかかるのでしょう?

よく、予防接種を受けてもインフルエンザにかかるのは、流行るインフルエンザの型が予想と外れたから、とかいろいろと言われていますが、そもそも、インフルエンザのようなDNAやRNAのみで存在するウイルスは変化しやすいため、予測が困難です。

しかも冬に流行る病気はインフルエンザだけではありません。

だって、インフルエンザだけ予防できれば、他の風邪にかかってもいいの?
アデノウイルスとか…、ノロウイルスとか…、溶連菌とか…。

敵は目に見えません!

とにかく、ウイルス、細菌全般について
・寄せ付けない
・負けない身体作り
をするのが、インフルエンザを含め、いろんな病気にならずに済む方法なのです。

寄せ付けない方法は、うがい手洗い。

殺菌・消毒は必要ありません。
自分のもっている常在菌も殺してしまうと、ウイルスや細菌に遭遇したとき、抵抗する力が落ちてしまいます。
また、体内のインターロイキンやリンパ球のバランスを崩し、アトピーなど炎症性の疾患の原因になるとも言われています。

そもそも、人間の身体と言うのは、ある程度の雑菌やウイルスの中でも生きていけるように設定されています。
いきなり戦う相手がいない状態を作られても、対応できません。
戦う相手がいなければ、自分の細胞を攻撃する⇒自己免疫疾患になる
ということなのではないでしょうか?

石けん素地99%の固形石鹸をよく泡立てて、流水で20秒以上すすぎます。
指と指の間、てのひらのシワなどに菌が残りやすいので、よく洗いましょう。
爪が伸びているのも、雑菌が溜まりやすくなります。
きちんと切りそろえておきましょうね。

うがいは口の中やノドを清潔にするだけでなく、ノドを潤す効果もあります。

この、ノドを潤す、が非常に大事!

うがいができない場合、チビチビと口の中を湿らせる程度の水分補給(緑茶がおすすめです)をするとよいです。


インフルエンザウイルスはノドや鼻の粘膜によってシャットアウトされています。

インフルエンザは鼻粘膜で増殖します。

この時、インターフェロンが分泌され、IgA抗体が産生され、戦います。

そこで勝つことができれば、発症はしませんが、負けると発症します。

 

この時に、鼻粘膜や口の中がきちんと潤っていることが大切です。
乾燥して炎症を起していたりすると負けます。

また、ウイルスは寒くて渇いた空気を好みます。
なので、乾燥が激しくなる秋から冬にかけて、流行するんですね!

マスクをすると鼻粘膜やノドの粘膜を乾燥から守る効果があるため、予防に有効です。
ウイルスは小さいので、ウイルスをシャットアウトする効果はありません。


では、予防接種に予防の効果はあるのか?

従来の注射型インフルエンザワクチンの問題点として
・インフルエンザウイルス感染後の重症化を予防できるが、感染防御するものではない。
・ワクチン株と流行株が一致したときには有効だが、一致しない場合には効果が低い。
・新型インフルエンザの流行株を予測降ることは不可能
と言われています。


よって、予防接種を受けてもインフルエンザにはかかるのです。

 

しかも、予防接種は病気のもとを体に入れて、抗体を作る目的で行われます。

つまり、インフルエンザに感染した状態と似たような状態を体の中に作っているのです。

インフルエンザに感染したときは、みなさま、どのように過ごされますか?

人混みに入らないようにし、暖かくして寝ますよね。

インフルエンザの予防接種後も、できれば同じように過ごすと、体の中できちんと抗体ができるといわれています。

けっこう「普通に過ごしていいですよ~」なんて言われて、予防接種後にお買い物へ行ったり、塾へ行って夜遅くまで勉強、普通に仕事に戻る、なんて人が多いのではないでしょうか?

体がインフルエンザと戦っている時に、別のウイルスが入ってきて戦わなければならなくなった!となると、予防接種の効果は…どうなのでしょうかねぇ~?

重症化を避けるために、予防接種をご予定の方は、接種前後のスケジュールを今一度ご確認ください。

 

それでも、「受けないよりは受けた方が30数%は効果がある」というデーターもあると、先日立ち読みをした本に(←立ち読みかいっꐦ)書かれてありました。微妙な数字です…。

次世代型のワクチンとして鼻粘膜投与型ワクチンが開発されているようですが、それが一般的になるのはまだまだ先の話と思われます。

 

ですので、予防接種をしたから、うがい手洗い不規則な生活をしていても、インフルエンザにはかからない!なんて油断をしてはいけません。

 

 

 


鼻粘膜やノドの粘膜を丈夫にする方法として、小児はりがあります。
皮膚を適度に刺激することで、副交感神経が優位になり、舌咽神経や顔面神経の働きが活発になると唾液や鼻粘膜の粘液の分泌が盛んになるからです。

よく、リラックスして寝ているお子さんはよだれを垂らしていませんか?

小児はりを受けているお子さんも、気持ちよくなってよだれを垂らし始めます。
そこまで行くと刺激量オーバーになってしまうので、よだれを垂らす寸前で治療を終えるのがベストなのですが・・・。

東洋医学では身体の防衛機能、皮膚、肺は密接に関係しています。
よく、乾布摩擦などでこする部分は、肺兪と言われる肺に関わる部分です。
皮膚を擦るように行う小児鍼は、皮膚や肺に適度な刺激をあたえて、身体の防衛機能を高める働きがあるのです。

副交感神経を刺激して、よく眠れるようにすることで、身体の修復を早めることもできます。

インフルエンザを予防するなら、うがい・手洗い・小児はり!

そして、しっかり睡眠をとる。
葉もの野菜を食べて、粘液の材料となるうるおいを補給する。


今シーズン、インフルエンザの予防に小児はり試してみませんか?