子どもの胃腸は未発達なため、負担になるような飲食物で下痢をすることも、細菌やウイルスによって下痢をすることもあります。
症状や機嫌をよくみて適切に判断することが大切です。
食事の様子・内容に原因がある一時的なもの。
・食後すぐに下痢をしたが、その後は元気で機嫌もいい。発熱もしていない。
・食べ過ぎ、冷たいもの・油っこいものを食べた、よく噛まないでたくさん食べた…など。
これらが原因であれば、下痢は一時的なものの可能性が高いです。
成長や体格、胃腸の消化能力に見合ったものを、よく噛んでゆっくり食べるように声をかけてあげましょう。
一緒に食事をしている人が、よく噛まないで早食いだったり、テレビを見ながら、スマホを見ながら食事をしていると、お子さんもよく噛まないで食べることがあります。
一口30回は咬む習慣があると、胃腸に負担をかけずに、効率よく栄養が吸収されます。
ストレスによるもの。
・慢性的に下痢が続いている。
・油っこいものや冷たいものを食べ過ぎたわけでもないのに下痢が続く。
子どもに何かストレスとなることが起きていないか考えてみましょう。
おゆうぎ会や学習発表会が近い。
お友達とケンカした。
…など、保育園や幼稚園、学校などで何かなかったか?
ゆっくり話す時間を取るなどしてみてください。
解決方法が見つかったり、きちんと休息をとることで解消できるならよいのですが、それが無理な場合は、思い切って休ませることも大切です。
成長のためには適度なストレスも必要ですが、身体を壊すほどのストレスはかえって逆効果になります。
まずは、ストレスに対応できる身体にすることが先決!
親の不安定な精神状態や生活を敏感に感じ取っている子もいます。
子どもは大人が思っている以上に、いろんなことをキャッチしていますよ。
口に出さなくても、ばれています。
子どものために、お母さん、お父さん自身がリラックス・リフレッシュし、問題を解決することも必要です。
反復性軽症下痢
いわゆる「お腹の弱い子」といえます。
おとなでは過敏性腸症候群といわれる腹痛や下痢を起こしやすい体質がありますが、子どもにもみられます。
腹痛や下痢だけでなく、何となく疲れやすい、朝起きにくいなどの症状もみられることもあり、起立性調節障害などの自律神経症状を伴っていることもしばしばあります。
このように体質的に下痢をしやすい、疲れやすくお腹が痛くなりやすい子どもの原因は今のところはっきりとはしていません。
東洋医学的にみると、肺虚であったり、脾虚であったり、腎虚であったり、気虚であったり、陽虚であったり…しますが。
厳しい食事制限をするのではなく、のびのびとした生活を暮らせるようにすることが大切と思われます。
普段から、お子さんがどんな時に下痢をしやすいのか、お腹は強いのか弱いのか認識するようにしましょう。
普段と大きく違うことがあれば、小児科の受診をお勧めします。
以上の下痢、お腹の弱さは小児はりがおススメです。
フワフワとなでさする小児はりで、気持ちよくリラックスをし、自律神経のアンバランスさを整えます。
「子どもの脳は皮膚にある」と言われるくらい、お子さんの皮膚を心地よく刺激してあげることは、バランスを崩した身体に効果的です。
大人であれば2~3日様子を見ることもあるような下痢でも、子どもの場合は体力がなく、体に蓄えている脂肪分なども少ないので、丸1日様子を見るのは長すぎる場合もあります。
下痢が数時間から1日続いて止まらないようであれば、病院を受診しましょう。
「元気がない」を超えてぐったりしている。
ある程度休んでもなかなか回復しなかったり、目がとろんとするほど消耗している場合にはできるだけ早く受診する必要があります。
・涙が出ない。
・尿の回数が非常に少ない。
脱水症状を起こしている可能性があります。
・発熱や嘔吐がある。
さらに消耗が激しくなり、嘔吐をするために水分が取れなくなります。
嘔吐下痢症が流行していないか要チェック!
嘔吐下痢症
おなかの中にウイルスが入って、吐いたり、下痢をする病気です。
・秋~冬に多いのがノロウイルス。
・冬~春に多いのがロタウイルス。
大人でもかかることが多い嘔吐下痢症ですが、原因ウイルスは、ロタウイルス、ノロウイルス、腸管アデノウイルス等です。よく、お腹にくる風邪と言われていますね。
便から移りますが、乾燥した吐物からウイルスが舞い上がって空気感染も します。
下痢が治まっても、1週間くらいは、便からウイルスがでていますので、 しっかり手を洗いましょう。
ちなみに、ノロウイスルにアルコール消毒は効きません。
細菌性下痢
いわゆる食中毒です。
食品を摂取することで発症する下痢のなかでは、ノロウイルスが最も患者数が多いのですが、次いで多いのが、この細菌性の食中毒です。
原因菌として最も多いのがカンピロバクター。
これは摂取後2~7日の間に発症するため、見つかった時にはかなり広がっている恐れのあるものです。
ついで黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌が多いです。
黄色ブドウ球菌は潜伏期間が短いので、原因を特定しやすいのですが、サルモネラ菌は潜伏期間が2日と長いです。
仕出し弁当や炊き出しを食べた、きちんと加熱されていないお肉を食べた、動物に触った、など、心当たりのある時は、病院を受診し、二次感染予防に勤めましょう。
下痢便が生ぐさい、魚の腐ったにおいがするときや、粘液や膿、血液が便に混じるときには細菌性下痢の疑いがあります。
白色といかないまでも、白っぽい便、灰白色の便はウィルス性のことが多いといえます。
病院を受診の際は、便の様子をしっかり観察してお医者さんに伝えましょう。
ウイルス性、細菌性の下痢は小児はりの適応にはなりません。
激しい下痢、血便、発熱、脱水症状、嘔吐がみられる時は、すぐに小児科を受診してください。
ただ、ちょっとしたウイルスや細菌に負けない丈夫な身体にする"予防”という目的では、小児はりはおすすめします。