江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』を読んで、日頃の養生に活かすシリーズ。
今回は、巻第三飲食上、七、八。
七には「欲にかつ」、八には「腹八分目」とあります。
だいたい、同じような話になるので、まとめてお話します。
飲食は飢渇の感じをいやすためにするのであるから、飢渇の感じがなくなったら、そのうえ欲張ってかって気ままに飲み食いしてはいけない。
食い過ぎたからといって薬を使って消化すると、胃の気が薬の力に強くうたれて、新しくできたやわらかい気がきずつく。
珍しいものや、おいしいものに出会っても、八、九分でやめるのがよい。
腹いっぱい食べるのはあとで禍がある。
慎めば必ずあとで禍がない。
目の前においしいものがあっても、欲張って食べ過ぎてはいけない。
勝手気ままに食べ過ぎると、病気になるよ。
と言っています。
空腹が満たされれば、そこで食事を止めましょう。
そのためにはしっかり噛んで食べることが大切です。
勢いよく丸飲みしていたら、満たされたことにも気付かずに食べ続け、目の前の食べ物がなくなったときに、胃もたれを感じる…なんてことに。
胃袋は少し余裕があった方が、よく働いて、きちんと消化してくれます。
ギュウギュウに詰め込まれては、動けません。
食べても食べても栄養不足が気になる方は、サプリメントや健康食品をとる前に、よく噛むことをこころがけてみましょう。
そして、体や胃袋にとって最適な量は『腹八分目』。
゛食べた後に胃もたれしない、眠くならない、普通に仕事や勉強ができる”
この状態が、腹八分目です。
参考文献:
『図解 養生訓』斎藤 孝 著
『養生訓 (中公文庫) 』貝原 益軒 著 松田 道雄 訳