江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』を読んで、日頃の養生に活かすシリーズ。
今回は、巻第三飲食上、四十六と四十七。
脾胃の好むもの。
あたたかいもの、やわらかいもの、よく熟したもの、粘り気のないもの、あっさりしたもの、よく煮ていい匂いのするもの、きれいなもの、新しいもの、香りのよいもの、性の平和なもの、五味のかたよっていないもの。
これは脾胃の養分になる。食べるがよい。
脾胃のきらいなもの。
生のもの、冷たいもの、かたいもの、ねばるもの、きたならしいもの、くさいもの、生煮えの物、煮過ぎたもの、煮てから時間が経ったもの、果実のまだ熟していないもの、古くなって本来の味のなくなったもの、五味のかたよったもの、脂が多くてしつこいもの。
これを食らうと脾胃をそこねる。食べてはいけない。
そろそろ忘年会シーズン。
年末の忙しさや、風邪の流行で、疲れた体に、お刺身や冷たいビールを流し込み、煮詰まった鍋を酔っぱらいながらつつくと、たちどころに脾胃をやられて、ノロやロタに…。牡蠣にあたったり…。
ちょっと調子が悪いけど、断れないお付き合いがあるときは、冷たいビールではなく、焼酎のお湯割りにしてみたり、鍋は煮詰まる前に食べて胃腸を温めつつ…。
〆にアイスクリームではなく、おじやくらいにして、おきましょうね。
もちろん、食べる前に、胃腸の調子を整えておかれることをおすすめいたします。
インフルエンザなどで発熱し、体力を消耗した後は、脾胃の好きなものを食べるようにし、脾胃のきらいなものは避けましょう。
発熱中は、無理に食べる必要はありません。
脾胃が働く=飲食物を消化する
というのは、パワーが必要なのです。
もちろん、胃腸の元気な人は脾胃のきらいなものを、多少食べたって大丈夫!
調子が悪い人は、脾胃にやさしいものを選んで食事をしましょう。
無理に脾胃を痛めつける必要はありません。
参考文献:
『図解 養生訓』斎藤 孝 著
『養生訓 (中公文庫) 』貝原 益軒 著 松田 道雄 訳