江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』を読んで、日頃の養生に活かすシリーズ。
今回は、巻第三飲食上、十七。
酒食を過ごし、害をなしたときに、酒食を消す強い薬を用いないと酒食を消化できない。
薬を使って食を消化するのは、自分の腹の中を敵味方の戦場とするものである。
飲んだり食べたりした酒食が、敵となって自分の腹の中を攻めやぶるだけでなく、こちらが使う強い薬もみな病気を攻めるから元気も減る。
酒食をとり過ごさないようにすれば、敵とはならない。
強い薬を使って自分の腹の中を敵味方の合戦場とするのは、胃の気をそこなうものである。
食べ過ぎ飲みすぎ胃のもたれに~♪
なんて、胃腸薬のCMを年末に向けて多く目にするようになりますが。
食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃の不調に、胃腸薬を飲んだときの状態を、戦にたとえて説明しているお話です。
敵が攻め込んできて、こちらからも強い兵を出して防戦すると、味方の兵士も大勢討ち死にします。
食べ過ぎ飲み過ぎが敵の兵士なら、胃腸薬は味方の強い兵士といったところでしょうか?
その両者が合戦をすると、その合戦場所となった城は壊れてしまいますね。
壊れた城が、体の中でいうところの胃というわけです。
胃の気をそこなわないように、敵に攻め込ませない。
つまり、胃薬が必要なほども飲み過ぎたり食べ過ぎるな、ということです。
「薬を飲めば大丈夫」
と思っている方も、たまに見かけますが…。
どんどん胃の気がなくなっていくので、やめましょうね。
特にこれからの季節は、ハロウィンでお菓子を食べ過ぎ、ボジョレーの解禁で飲み過ぎ、忘年会で食べ飲み過ぎ、クリスマス、お正月、バレンタインデーと、食べること飲むことが目白押し!!!!
休肝日ならぬ、休胃腸日を作ってあげてください。
参考文献:
『図解 養生訓』斎藤 孝 著
『養生訓 (中公文庫) 』貝原 益軒 著 松田 道雄 訳