江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』を読んで、日頃の養生に活かすシリーズ。
今回は、巻第二総論下、五。
「酒食の気がまだ消化しないうちに横になって眠ると、酒食が滞って気がふさがり、病気になる」
とあります。
子どもの頃
「食べてすぐ寝ると牛になる」
と言われたことはありませんか?
私の実家は酪農家で牛を飼っているためか…(?)よく言われました(笑)
お酒を飲んだ後に、すぐ横になると、逆流性食道炎にもなりやすくなります。
食後に横になって眠りたがる人は、脾虚タイプの人に多く見られます。
消化するパワーが弱いため、食べ物が入ってくると、脳や体を動かすのに必要なエネルギーが胃腸にとられてしまうため、頭が働かなくなり眠くなるのです。
特に昼食後に眠くなるのは、食べ過ぎている可能性があります。
まずは、腹八分目で食事を済ませる習慣を。
甘いもの、油っこいもの、よく噛まずに食べれてしまうものには注意が必要です。
特に、手軽に食べれるラーメン、パスタ、天ぷらののったうどんやお蕎麦…。よく噛んでいますか?
カレーは飲み物ではありません!!!!飲まずにちゃんと咀嚼してください。
よく噛むと、腹八分目で食事をストップしやすいです。
腹八分目に食べることも大切ですが、食後はお腹が痛くならない程度に軽く動き回りましょう。
腹八分目に食べておかないと、動けなくなりますよね。
朝早かったり、夜寝不足でどうしても食後に眠くなるという方は、椅子に座ったまま軽く睡眠を。
横になってガッツリ寝てしまうのはよくありません。
椅子に座ったまま、温かいアイマスクなどをして目を閉じて、音楽やラジオの音などを聞いているだけでも、リフレッシュできます。
座りっぱなしは脾を傷つけます。(久座)
デスクワークの方は、食後、軽く外を散歩したり、窓の外を眺めながら足踏みしてみると、午後からのお仕事がはかどりますよ。
糖尿病予備軍の方は、食後に歩くとよいです。
糖尿病は、脾と腎が関わってくる病。
歩くことによって脾胃の働きをたすけ、足裏を刺激することで腎を刺激してあげましょう。
これは夕食でも同じことが言えます。
夕食をとりながら晩酌をして、ソファーに寝転がってテレビを見ていたら、そのまま熟睡…。
という方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?
これを毎晩続けていると、胸の気が塞いでしまうので、ご注意を。
特に、春は気がスムーズに巡ることが大切な季節。
胸で塞がってしまうと、喉のつまり感、首肩こり、イライラの原因になります。
参考文献:
『図解 養生訓』斎藤 孝 著
『養生訓 (中公文庫) 』貝原 益軒 著 松田 道雄 訳