江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』を読んで、日頃の養生に活かすシリーズ。
今回は、巻第二総論下、二十三。
経絡治療では、脈診をしますが、それで何を見ているのかというと、まずは「胃の気」があるかどうかを見ています。
ちょっと体調を崩しても、胃の気があれば大丈夫。
元気そうに見えても、胃の気がなかったら心配…。
ということになります。
養生訓では
「胃の気とは元気の別名である」
と書かれてあります。
強すぎず、弱すぎず、大きすぎず、小さすぎず、速すぎず、遅すぎず…。
適度にしまりがあって、なめらかな触り心地と、テンポよく流れるような速さ。
ちょっと押すと中身がしっかりあるような脈がよい脈です。
健康的な脈から離れていても、中に胃の気を感じることができれば、養生しておけばよい脈になります。
鍼灸で整えてあげれば、すぐによい脈になります。
胃の気があって、よい脈に整えば、あとは勝手に体が不調を治していきます。もしくは、調子のよい状態をキープしていてくれます。
人の元気の素、生きて活動するためのエネルギーは食べたものから作られます。
食欲があって、食べたものをしっかり消化吸収できる。
胃の気があるというのは、そういうことです。
なので、私は、鍼灸を受けるとすぐお腹が空いてしまうのです…。(←ん???)
参考文献:
『図解 養生訓』斎藤 孝 著
『養生訓 (中公文庫) 』貝原 益軒 著 松田 道雄 訳