江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』を読んで、日頃の養生に活かすシリーズ。
今回は、巻第二総論下、二十。
私のばあちゃんは97歳。
寝たきりにもならず、会話も年相応にちゃんとできて、ご飯支度までできてしまう、スーパーばあちゃんです。
今回の話は何かというと、
「山の中で暮らしている人は多く長寿である」
というお話。
…そうでもないよ。
と、ちょっとツッコミたくなることもありますが。
「山の中は寒くて、からだの元気を閉じかためてもらさない」
たしかに、山の中は寒いです。
山に雪が残っているうちは、どんなに日差しが強くなってきたとしても、風が冷たいです。
夏の猛暑日でも、日が落ちると途端に寒くなります。
お盆に実家へ泊りに行くときは、どんなに暑くても長袖の上着を持って行きますし、日中の気温が30度と言われても、パジャマは長袖のものを持って行きます。
熱いと体は発散してしまうため、消耗が早くなるので…そうなのかもしれません。
・山の中の人は交際も少なく、静かで元気を減らさず、物も少なくて物欲に駆られることも少ない。
それは大いに言えると思います。
いろんな物が売っていて、おいしそうなお店が多くならんでいると、物欲や食欲を抑えながら生活するというだけでストレスがかかりますね。ついつい食べ過ぎてしまうことも多くなります。
そして都会は、どこへ行くにも人人人…。ちょっと買い物をしに行ったり、用事を足しに行くだけなのに、並んで順番待ちをしなければならない…。(←山の中で育った人間には、ここが1番キツイかも…)
山の中にいると寝静まる時間も早いのですが、都会はなかなか寝ようとしません。遅い時間でも子どもが外をウロウロしていてびっくりすることがあります。
人と人との摩擦も少なく、寝静まるのも早いとなると、山の中の方が健康的に過ごせるのもうなずけます。
・魚や肉を多く食べないので、病気が少ないとのことです。
昔は今のような物流ではなかったので、山の人々は畑で取れる野菜や、山から採ってくる山菜などをメインに食べていたのでしょう。
今は…
山の中には病院がないから病気なんてしていられない、って言った方がいいかも。
そして、病弱だと不便な田舎で過ごすのは大変なので、山の中でも生活できる丈夫さをもっているから、長生き、と考えることもできるかと思います。
都会にいても、暖房に頼り過ぎず、物欲と食欲を適度に抑えて、わきまえた生活をし、人のことを気にしたり干渉しなければ、山の中で過ごしているように長生きできるかもしれません。
参考文献:
『図解 養生訓』斎藤 孝 著
『養生訓 (中公文庫) 』貝原 益軒 著 松田 道雄 訳