江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』を読んで、日頃の養生に活かすシリーズ。
今回は、巻第一総論上、六。
人間の体はおよそ37兆個の細胞でできています。(60兆個って習ったような気がするのですが…いつの間に変わったのかしら?時々現代医学もブラッシュUPしないといけませんねw)
その細胞内には核があり、その中に染色体があり、染色体がいろいろと情報をコピーして細胞を分裂させていきます。
なので、小さい子は成長してどんどん大きくなっていくし、古い細胞が死んでしまっても新しい細胞が働いてくれるため、人間の体は正常に動けるのです。
その染色体の先には「テロメア」と呼ばれる、細胞分裂を繰り返すたびに短くなっていく部分があります。
35歳くらいでそのテロメアは半減するとのことなので、東洋医学で言う、男性は8の倍数、女性は7の倍数で体が変化して、5をかける年齢になる頃にはピークを迎えて衰え始める…とつながるものを感じますね。
このテロメア、人によって減り具合が違うそうです。
持って生まれた丈夫さや、日頃の養生が関わってくるのでしょうか…。
ストレスが多いひとほど、短いという研究結果もあるようです。
通常ですと、人間なら平均して120年程生きられる長さのテロメアを持っていると、専門学校で病理学を教えてくださった先生がおっしゃっていました。
古典には、人間の体は100年もつ、という記述が多いので、大体同じような感じですね。
丈夫な人が、自分の体力を過信して無茶な生活をしていれば、寿命は短くなります。
逆に、子どもの頃から体の弱い人が、自分の弱さを自覚して養生しながら大切に過ごしていれば、寿命は長くなります。
欲にふけるのは自殺するのと同じことだ。
と本には書かれていますが、現代においてはなかなかそうもいかない現実があります。
病院で意識もなく、体を動かすこともできないのに、生かされ続ける…。
欲にふけって、ぽっくり逝けるだけ、まだ幸せなのかもしれません。
しかし、現実はそうもいかず、子どもたちの世代に負担をかけるくらいなら、私は100歳までピンピン動いて孫の世話でもひ孫の世話でもできるくらいでいようと思うのです。
天寿は100歳。
たかだか人生半分で、体を使い切らないように!!
参考文献:
『図解 養生訓』斎藤 孝 著
『養生訓 (中公文庫) 』貝原 益軒 著 松田 道雄 訳