治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
生理痛にはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『生理痛』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
生理前になると頭痛・イライラ・お腹の張りが辛い
30歳女性(初見5月)
主訴:生理前になるとお腹が張って苦しく、イライラする。
孫悟空の頭に付いているような輪っかが自分の頭にもついているんじゃないかと思うくらい頭が痛い。
始まって1日目2日目は、出血量が多く絞られるような痛みがある。
鎮痛剤を飲めば落ち着くので、毎月鎮痛剤のお世話になっているが、出血量が多いので時々、貧血でフラフラめまいがする。
痩せて筋張っている。
脈は細くピンピン跳ねていて、早い。
手やお腹は暖かいが、足はとても冷たい。
子どもの頃からアトピー性皮膚炎があり、生理前になると首や耳の周りのアトピーも悪化するように感じる。
生理痛は若い頃もあったが、出産し、子どもが卒乳してから悪化するようになった。
2歳の男の子がいて、体がいうこと聞いてくれなくても、子どもの面倒は見なきゃいけないのが辛い。
活発過ぎる我が子に、ついついイライラ怒ってしまう。
あまりにもイライラしたり、お腹が痛くて動けない姿をみて、鍼で何とかなるのなら、子どもをみているから通ってみたら?とご主人に勧められたとのことである。
①五臓の精気の虚
筋張っていて、きちっとしていないと気が済まず、イライラを溜め込みやすい人は、肝の気が旺盛です。
そのために、肝の精気が虚しやすくなります。
②病因
アトピー性皮膚炎による炎症、出産、授乳。
③病理の虚実
出産、授乳による血の消耗。体の中のうるおいである津液の虚。
④寒熱の発生
もともとアトピーという炎症を持っていることで、血といううるおいが減って体の中に火事が起きている状態に加えて、出産と授乳によって体のうるおいを消耗し続けたことにより、血が不足して熱が発生している状態です。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
血が乾いたことによって発生した熱により、肝の血を分配する能力が落ち、精神を伸び伸びさせることもできなくなります。
また、表裏関係にある胆経の経絡に熱が波及すると、耳の周りや首、脇などに炎症が起きて、アトピーの悪化として現れることがあります。
⑥病証
肝の働きが悪くなったことにより血の分配がうまくいかず熱をもって、痛みを発生させている状態。熱が多いので、血が沸騰し出血量が多くなります。(肝虚熱証)
鍼灸に通うことで、飲食物からうるおいや血の材料を消化吸収する力をUPさせ、血を巡らせるとともに、余分な熱を取り除きましょう。
特に、イライラや腹痛が始まる前に来院するのがおススメです。
普段の養生:ストレッチや散歩などをして、適度に体を動かしましょう。
大量に汗をかいたり、血を消耗するような激しい運動はおすすめできません。
楽しいものを見て、大笑いすることも、気の巡りがよくなって余分な熱を発散するのによいでしょう。
お腹や頭が痛くて動けない時は、ハーブティーやアロマを楽しんでみるのはいかがでしょうか?
味の濃いもの、辛いも、菓子パンとチョコは避け、和食を中心として葉もの野菜多めの食事を心掛けましょう。
お肉で鉄分をとるよりは、ほうれん草や人参などの野菜から血の材料をとった方が、熱を取り除くのにおすすめです。
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。
※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲