治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
生理痛にはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『生理痛』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
生理前になると頭痛、下腹部の左右が刺すように痛む
22歳女性(初見10月)
主訴:生理がくる2,3日前になるとお腹が張って苦しく、下腹部の左右が刺すように痛くなる。
その前から肩がこり始め、頭痛がして、ちょっとしたことでイライラすることもある。
普段、食欲もあり普通に食べられるのだが、生理直前になると便秘になり、胃が痞えて吐き気がする。
生理が始まってしまえば、じょじょに症状が消えるのだが、冷えの症状もあり、寒くなると腹痛が悪化するので、お灸で何とかならないものかと考え来院。
ぽちゃっと全体的に水っぽい体格をしていて、お腹や背中の表面が冷たい。
こめかみや目の周り、手の母指球や足の土踏まずが青い。
脈も堅く、沈んだところで弾くように打っている。
左下腹部を軽く押すと圧痛がある。
汗をかきやすく、動くと息切れがする。
デスクワークが多く、ほとんど運動をしない。
夏はクーラーの効いた部屋の中にいたためか、体がますます冷えたように感じる。
生理が来そうなときはあまり予定を入れないようにしているのだが、だんだん座りっぱなりで仕事を続けているのが辛くなってきた。
仕事中に腹痛と頭痛が気にならなくなるようになりたい。
①五臓の精気の虚
脾が虚して飲食物からうるおいを作り出せなくなると血がねばって流れが悪くなります。
肺が虚すと気が巡らなくなるため、血を押し流すことができなくなります。
流れることができなくなった血は、肝で停滞しています。
②病因
運動不足
③病理の虚実
巡ることができなくなった血が団子になった状態
④寒熱の発生
体の深い部分で停滞した熱によって瘀血が発生し、その瘀血が気の巡りを邪魔しているために陽気の発散ができず、表面が冷えている。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
月経ドラブルや婦人科系疾患は血の流れが大きくかかわってきます。
血の分配をつかさどる肝の働きが悪くなると、肝の経絡が繋がっている子宮で血の流れが滞って団子になり、痛みを発生させます。
⑥病証
血の巡りが悪いことによる瘀血。(脾虚肝実瘀血証、または肺虚肝実瘀血証)
鍼灸に通うことで気血の巡りをよくし、滞りをスムーズにしましょう。
2ヶ月間は、週に1度のペースで通うことをおすすめします。
その後様子をみて、通院の間隔を広げたり、生理前だけにするとよいでしょう。
せっかく鍼灸治療で巡りをよくしても、同じ生活を繰り返していれば再び血の流れは滞ります。
間隔を詰めて通うことにより、滞りをしっかり取り除いてしまいましょう。
普段の養生:お灸に興味があるとのことで来院しているので、三陰交のツボに印を付け、毎日お灸をすることを勧める。
お灸に興味がなくても、三陰交が隠れるくらいの長さの靴下を履いて、足を温めることは必要である。
大量に発汗し疲れる程の運動はしない。(もちろんホットヨガ、サウナもNG)
しかし、適度に散歩やストレッチなどをして軽く身体を動かす。
油っこいもの、甘いものは控える。
夜11時までにはベッドに入り、ベッドの中でスマホは見ない。
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。
※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲