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生理痛

どんな時に鍼灸院へ行けばよいのか?

わかりやすいように、具体例を挙げてご紹介しています。

 

今回のテーマは『生理痛』。

 

痛み止めの薬の「パケ買い」とか、ありえないから!!(°ㅂ°╬)

「薬で抑えているだけ」は、治ったことにはなっていませんから!!(°ㅂ°╬)

周りがみんな生理痛でもがいていると、「生理痛のない私はどこか変なのかしら?」と感じるようですが、ないのが通常です!

…と、日々プチ切れしそうな話を耳にしますが、冷静に書いていこうと思います。

 

本来、生理は生活に支障をきたすほど痛みを伴うものではありません。

生理のたびに強い痛みなどの症状がある場合、月経困難症と考えられます。

月経困難症は子宮やその周辺の組織の異常で起こります。

月経困難症を治療しないでいると、日常生活に支障をきたすだけではなく、生理痛の根本原因となっている別の病気を見逃してしまう可能性があります。

生理痛は体の異常を知らせるサインなのです。

 

●月経困難症の症状

生理期間中に起こる、

・下腹部の強い痛み

・腰痛

・おなかの張り

・吐き気

・頭痛

・食欲不振

・下痢

・イライラ

・抑うつ

などです。

 

●機能性月経困難症と、器質性月経困難症の2つのタイプがあります。

機能性月経困難症…子宮の入り口が狭いことや、子宮内膜で作られるプロスタグランジンという物質が過剰になり、子宮や血管、腸管を収縮させ過ぎることによって痛みなどの症状が引き起こされます。

10代後半から20代前半に多くみられます。

成長とともに症状は治まるとされていますが、生活に支障があれば治療が必要です。

原因となる病気はなく、

・プロスタグランジンの分泌量が多い

・子宮や卵巣が未成熟

・冷え

・ストレスなど

が要因として考えられます。

 

器質性月経困難症…子宮や卵巣の病気が原因で起こります。

20代後半以降に多く、加齢とともに増加します。

原因として挙げられる病気は、

・子宮内膜症

・子宮腺筋症

・子宮筋腫

などです。

 

器質性の月経困難症が考えられる場合は、婦人科の受診をおすすめします。

 

機能性月経困難症につきましては、鍼灸がおすすめです。

痛み止めを常用している状態は好ましくありません。

定期的に鍼灸院に通って、快適な毎日を過ごしませんか?

毎月、動けない日が数日間あると考えただけで、人生、もったいなさすぎますよ!!

 

機能性月経困難症、特に原因となる病気のない生理痛も、東洋医学で見ると分類分けできます。

体質に合わせて治療しないと、かえって症状を悪化させることにもなります。

体質に合わせた鍼灸治療で、生理痛から卒業しましょう。

血が体の中心で滞ることによる生理痛

(例)22歳女性

生理前になると頭痛・イライラ・下腹部の左右に刺すような痛み。始まってしまうと徐々に体は楽になる。(肝実瘀血証)

 

血の不足により熱が発生しておこる生理痛

(例)30歳女性

生理前から張ったような痛みがあり、生理前半に出血量が多く絞られるような痛みがある。(肝虚熱証)

 

血の不足により冷えて起こる生理痛

(例)20歳女性

生理中に冷えて痛くなり、経血に塊が混ざる。下痢をする。(肝虚寒証)

 

虚弱体質により巡るものがそもそも足りていないときに起こる生理痛

(例)32歳女性

生理が終わると鈍い腹痛と疲労感がある。血虚のために、お腹が空虚な感じがして痛む。(脾虚寒証)

 

 

主訴ではないけれども、「痛くならなくなりました」と言われることが1番多いのが生理痛。

東洋医学には『不通則痛、通則不通』という言葉があります。

気血の流れが詰まって滞る、足りなくて流れない、という状態は痛みを生じ、ちゃんと流れてちゃんと足りているという状態は痛みがありません。

巡らせる力が足りなくて痛む方は、鍼灸の力を借りることをおすすめします。

巡るものが足りなくて痛む方は、鍼灸で消化吸収能力をUPさせつつ、食養生がおすすめです。

当院で行っている経絡治療は、まず、予診票を書いて頂き、お話を聞きながら脈診、腹診を行って、上の図に合わせながらどのように症状が現れたのかを見ていきます。

 

精気の虚=五臓(肝、心、脾、肺、腎)が持っている精気の状態=その人の体質

病理の虚実=気・血・津液が足りないのか、流れが滞っているのか

寒熱の発生=病理の虚実によって、熱が発生しているのか、寒が発生しているのか

↑ここまでがその人の体質をみるときに必要となり、ここを治療することが根本治療(本治法)となります。

 

臓腑経絡に波及=病理の虚実、寒熱はどこに波及しているのか

病証=主訴

↑ここが患者さんが訴える症状になり、まず治療して欲しいところとなります(標治法)。

 

具体的な話は、それぞれのページに飛んでみてください。

 

ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)

 

参考文献:

日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編

日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編

図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲

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