治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
首肩こりにはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『首肩こり』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
肩甲骨周りがガチガチで、肩が痛むこともある
40歳女性(初見11月)
主訴:肩甲骨周りがガチガチで、手がしびれたり、肩の周りが痛むことがあり、揉まれるとかえって痛くなるので、鍼がいいのではないかと思い来院。
全体的に細身で、筋肉も硬く、筋張っている。
肩甲骨周りに、紐が固く結ばれたような硬結ができている。
とりあえず自力で腕は動かせるので、腱板が切れていたり炎症を起こしている感じはなさそうである。
脈は、革紐のように固い血管を感じる。
肩こりが1番気になるが、腰痛もあるとのことであった。
朝起きた時に、手がしびれていることがよくある。
昨日、重たい買い物袋を持って帰ってきたら腕が痛くなり、今日もまだ動かすと痛い。四十肩になったのではないかと心配している。
上の子は中学3年生で受験生、下の子は中学1年生で反抗期のため、何かとストレスが多く、イライラしてビールを飲み過ぎてしまうことがある。
イライラしたり、コーヒーを飲むと、顔が熱くなってのぼせたような感じになることがあるので、もう更年期が始まったのかと感じている。
肩こりを改善しつつ、老化も食い止めることができたら、いいな~と考えている。
①五臓の精気の虚
ストレスを受けると脾が弱くなり、気を作り出せなくなることにより肝の働きが悪くなって肝の疏泄作用が働かなくなることがあります。
②病因
ストレス
③病理の虚実
血を巡らせる気が不足したことにより、血が停滞して瘀血となった状態。
④寒熱の発生
ストレスなどで気が停滞すると熱を発生させます。
ただ、瘀血ができると、できている部分は熱をもっても、その先に気血が巡らなくなるために冷えます。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
ストレスやアルコールの摂り過ぎにより脾虚熱証となり、その熱が少陽経に行くと肝実(瘀血)となり、肩甲骨と肩甲骨の間のこりになります。
婦人科系疾患、更年期、外傷、暴飲暴食でも瘀血ができやすく、瘀血ができるとすべての陽経にこりができ、心経、心包経、肺経、任脈などの流れも悪くなっています。
肝実によるこりは筋肉が硬くなっているのが特徴です。紐が固く結ばれたような硬結ができます。
そのため、手のしびれや痛み、肩関節の痛み、腰痛、内臓疾患などが同時に現れていることが多いです。
⑥病証
瘀血による脾虚肝実証。
通院の目安
痛みがあるうちは、週に1度のペースで鍼灸に通いましょう。
痛みが落ち着いてきたら、必要な時に来院でもかまいませんが、ストレスの原因が取り除かれない、年齢的なものも感じる場合は月に1,2回のペースで健康維持のために通うとよいでしょう。
普段の養生:気分転換に軽く運動することは良いのですが、マラソンや筋トレなど、体を酷使するようなスポーツはおすすめできません。
夜は22時までに寝ましょう。
暴飲暴食を避け、冷たいものの飲食はなるべく控えましょう。
香りの良いもの(ハーブティーや香草、柑橘類など)を積極的にとって気の巡りをよくしましょう。
朝起きたら、肩や首を温めましょう。
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
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※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲