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首肩こり:食べ過ぎと運動不足

治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。

子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。

 

首肩こりにはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『首肩こり

 

では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。

長時間座りっぱなしで肩が重い

28歳女性(初見7月)

主訴:長時間座りっぱなしでパソコン作業をしているためか、肩が重い。

顔もたるんできたので、ついでに美容はりもしてみようと思い来院。

 

全体的にぽっちゃりしていて、鼻の周りやこめかみにニキビがある。

足は浮腫んでいて、くるぶしがわかりにくい。

脈は太くぼんやりしていて、早く、浮いている。

心窩部がつかえて、時々ムカムカするとのことであった。

 

今月に入ってから、残業が多く疲れて、帰りについついコンビニによって甘いものを買ってしまい、食べ過ぎる。

先週は友達とランチバイキングに行ってケーキを全制覇したら、胸焼けがして胃の調子が悪い。

胃が痛くてついつい背中をまるめてしまう姿勢がよくなかったのか、残業のせいなのか、よくわからないがその頃から肩こりが悪化したように感じる。

重く感じるのは太ったせいかなと思うこともある。

 

鍼で少しでも体を軽くして、キレイになれたらいいな~とのことである。

①五臓の精気の虚

食べ過ぎてしまうのは胃腸が丈夫だから、と考えてしまいがちですが、脾の働きが悪くなることで胃腸に熱が発生し、熱のために過食するということがあります。すると胃もたれや胸焼けを起こします。

このような胃腸症状があるのは脾の精気が実しているのではなく、虚しているのです。

 

②病因

長時間座りっぱなしでの作業。

 

③病理の虚実

脾の働きが弱ったり、長時間すわりっぱなしでいることで、体に余分な水分=痰湿が溜まります。

この痰湿が重だるさの原因です。

 

④寒熱の発生

痰湿など、余分なものが溜まった状態は熱を発生させます。

 

~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~

 

⑤臓腑経絡に波及

痰湿から生まれた熱が、主に陽明経(大腸・胃につながる経絡です)に熱が停滞して首肩こりを起こします。

筋肉のひきつりはありませんが、硬めのボールを揉んでいるような感じになります。

肝虚証と違って、寝違えても首は動かせて痙攣のような引きつりはありません。

湿度の高い日や、お酒を飲んだり甘いもの油っこいものを過食した後に、前頭部の頭痛を伴うことがあります。

 

⑥病証

長時間の座り仕事や手仕事、暴飲暴食、胃腸の不調によって、痰湿が溜ることにより首や肩を重だるくさせている。(脾虚熱証)

 

通院の目安

食べ過ぎや胃のムカつきが治まるまでは週に1度のペースで鍼灸に通いましょう。

忙しくて通院が困難な場合は、ペパーミントやグレープフルーツ、レモンなどのアロマオイルを活用することをおすすめします。

ついでに、美容はりもしてニキビケアをするとよいでしょう。

胃腸の状態が整ってくれば、体に溜まった余分なものも片づけられるので、お肌もキレイになり体も軽くなってきます。

症状が落ち着いたら月に1度くらいのペースにし、来院の都度、自分の生活習慣を見直す機会にしてみてはいかがでしょうか?

 

普段の養生:まずは食べ過ぎを止める。どうしてもお腹が空いて衝動的に食べてしまいそうになったら、野菜ジュースやスープ、お味噌汁などをゆっくり飲んでみる。ただし、1日中チビチビ水分を取り続けない。

お菓子などを過食してしまったからと言って挫折しないで、次の日から気持ちも新たに食生活の改善を図りましょう。

疲れているからエネルギー補給、と言い訳をして甘いものを摂りつづけると、首肩こりどころか糖尿病や高脂血症などの生活習慣病につながります。膝などを痛めることも多くなります。

自分が1日に口にしているものを自覚していない方は、何を食べたかノートやカレンダーに書き込んでみるといいでしょう。

いきなり激しい運動を始めると、関節や筋肉を傷めて動くのが嫌になります。

寝ながら、座りながらできる運動やストレッチなど、軽めの運動から始めましょう。

ちなみに、サウナやホットヨガで汗を絞り出しても、水分を取れば元に戻るので痩せません。汗を大量に出しても食べた物はチャラにはなりません。

このタイプの首肩こりさんは、体に溜まった不要なものを片付けることから始まりますので、普段の養生が非常に大事になります。


単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。

自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。

予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。

※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。


ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)

 

参考文献:

日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編

日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編

図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲

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