治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
首肩こりにはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『首肩こり』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
冷えると首肩こりが悪化し、よく寝違える
45歳女性(初見10月)
主訴:首と肩のコリが辛く、今朝寝違えたとのことで来院。
脈は細く沈んでいて、遅い。
お腹は冷たく、下腹部に力がない。
若い頃から肩こりはひどかったのだが、最近は寒さでさらに悪化するように感じる。
今朝起きたら、首を寝違えて痛い。
よく寝違えたり、急に振り向いた時に首や肩の筋肉が引きつって動かせなくなることがある。
筋肉が引きつるというよりも、腱が引きつっている感じで、筋張った状態になっている。
寒くなってからは、毎朝起きると手がしびれている。
手足が冷たく、よくしもやけになる。
目が疲れやすく開けていると辛いことがしばしばある。
耳鳴りや頭痛も時々あるのだが、首肩こりを何とかしないことには治らないような気がするとのことである。
まずは、寝違えた首を治療して動けるようになりたいとのことであった。
①五臓の精気の虚
腱が筋張っている体格だと、肝の気をよく使う人が多く、肝の精気が虚しやすくなります。
②病因
気温が下がり、寒くなってきた。
③病理の虚実
筋肉の不調に加えて、目が疲れやすい、しもやけになる、ということは、血が不足し、血が持っている陽気も不足しています。
血虚、肝虚熱証がさらに進んで、収まる場所を失った気もどこかへ飛んで行ってしまった状態です。
④寒熱の発生
血と、血の中の陽気も不足すると体は冷えます。
特に血の栄養が届かない四肢末端で陽気が不足するとしもやけになりやすくなります。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
体の中が、鎮火した後の焼け野原のようになっているのをイメージしてみてください。何も無くなってしまったので、冷えきっています。
筋肉を栄養したりうるおすことができない上に、温めることもできないので、動きに対応できず、しびれを感じることもあります。
目は肝が血をしっかり分配し、陽気が充分にあることでものを見ることができます。血も陽気も不足していると、目を開けているのが辛くなります。
⑥病証
血も陽気も不足したことにより、筋腱が充分に養って温められていないことによる症状。(肝虚寒証)
通院の目安
寒い時期は1週間~2週間おきに鍼灸に通い、体を温めながら、筋肉がひきつるのを予防しましょう。
普段の養生:過労と夜更かし厳禁。
鍼灸を受けると気の巡りがよくなって血を消耗しやすくなります。ですが胃腸の働きがUPするので、鍼灸治療治療の後は必ず赤いもの(ほうれん草・人参・タコ・レバー・クコの実・ブドウ・イチゴ…など)、黒いもの(黒ゴマ・豆・海藻・貝類・じゃこ・プルーン…など)をよく噛んで食べましょう。
歩いたりストレッチをするなど、適度な運動を心がけて、体を温めましょう。
サウナや辛い食べ物の過食で大量に汗をかくと急速に冷えるので、汗のかき過ぎに気を付ける。
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。
※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲