治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
目の疲れ、IT眼症にはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『目の疲れ、IT眼症』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
スマホを見過ぎて目が疲れる
28歳女性(初見5月)
主訴:目の疲れ、肩こり、片頭痛
目が疲れすぎて、首の後ろや肩を何かで突き刺したくなるので、鍼がいいのではないかと思い来院。
せっかち。
こめかみや、前腕の内側が青い。
目が大きく、筋張った体格をしている。
脈は細く、ピンピン弾むように打っていて、早い。
肋骨の下縁を触ると張っていて苦しいという。
頭のてっぺんが尖って頭皮が硬く、髪も少し薄くなってきている。
趣味はスマホでブログを書くことで、アクセス数やいいねが気になりついついスマホをいじっていることが多い。
スマホのゲームにもはまっていて、やっている間はまばたきをしていないと言われた。
先日もついつい集中しすぎて、夜中の2時頃まで起きていたら、頭は熱いのに足が冷えていてなかなか眠れなかった。
邪魔されると、イライラ八つ当たりしやすくなったように感じる。
今の状況はちょっとまずいかな…と思い始めている。
①五臓の精気の虚
目が大きく、体格も筋張っている人は肝の気が旺盛だが、血を消耗し過ぎたために肝の精気を消耗した状態。
②病因
スマホの見過ぎ。
③病理の虚実
目を酷使したことによる血の消耗。
④寒熱の発生
頭を常に働かせているので気は上部で巡っているのですが、体を栄養しうるおしている血が足りないために、乾いて熱が発生した状態です。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
血を使い過ぎていることにより、肝の蔵している血が足りなくなり、乾いて、肝が養っている目や髪に栄養とうるおいが巡っていません。
肝がたっぷりと血を蓄えてどっしりしていれば、気持ちも落ち着くのですが、足りない上に熱が発生しているので、焦ってせっかちになります。この熱が心に波及すると「キレる」という行動につながります。血管に波及すると脳卒中につながります。
熱は上昇する性質があるので、頭のてっぺんに上ります。
髪は血の栄養が充分に巡ることによってフサフサするのですが、血が足りずに熱だけ停滞すると抜けやすくなります。
頭のてっぺんにある百会というツボは、肝経の経絡が巡っています。百会の状態も肝の状態を診るのによく使います。
⑥病証
食欲もあり、熱を発生させるだけのエネルギーもあり、まだ若いので、休めば回復可能です。
眼精疲労というよりは、眼疲労の段階。肝虚熱証。
エネルギーも不足するような状態になると肝虚寒証、腎虚証へと進んでいきます。
ゲームのし過ぎで切れやすくなるお子さんもこのタイプ。
通院の目安
どうしてもスマホをやめられないのであれば3日に1回のペースで鍼灸へ通院。
といいたいところですが、体を消耗させない程度にスマホを見る時間を減らすことが最優先です。
生活を改善してみて、目の疲れがひどいときに鍼灸へ通って早目のケアをしましょう。
普段の養生:夜9時以降はスマホの電源を切って、のんびり過ごし、11時までには寝ましょう。
日中、適度に体を動かしましょう。
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。
※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲