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目の疲れ、IT眼症

どんな時に鍼灸院へ行けばよいのか?

わかりやすいように、具体例を挙げてご紹介していこうと思います。

 

今回のテーマは『IT眼症』。

 

~IT眼症とは~

Information Technology(情報技術)の略がITです。そのための機械がIT機器。スマホやパソコン、テレビなどを指します。

IT機器の普及により、その機器の使い過ぎによって引き起こされる、いろいろな目、及び全身の症状、過労のことです。

『VDT症候群』、『テクノストレス眼症』とも呼ばれています。

 

テレビ、テレビゲーム、パソコンが普及してから、目の疲れを訴える人が増えましたが、スマホの普及により、目が過労状態になっている人が急激に増えました。

休めば回復する目の疲労から、休んでも疲労が回復しない眼精疲労、それに伴う首肩こりや頭痛、頸肩腕症候群がパッと思いつく症状かと思います。

それ以外にも、目の酷使によって引き起こされる動悸や倦怠感、うつ、自律神経の不調などの全身症状も含めて、今は「IT眼症」と呼んでいます。

 

子どもではチックや起立性調節障害、大人では倦怠感や不妊、アトピー性皮膚炎の悪化など、西洋医学的に考えれば因果関係はないと言われそうな症状でも、東洋医学的にみるとIT眼症と関係があることは多いのです。

科学・医学が発達して、「あ、やっぱり因果関係はありました」なんて、後から言われても遅いので、症状が出る前にケアしてあげましょう。

 

目に関わる経絡は、視神経では陽明胃経、少陰心経、少陽胆経、厥陰肝経、目頭では太陽小腸経、太陽膀胱経、目尻では少陽三焦経も関わってきます。

目を養っているのは肝、うるおしているのは腎、目を使い過ぎると働きが悪くなるのは心。

瞳孔括約筋を支配しているのは肝、目じり目頭は心、まぶたは脾、結膜は肺、瞳孔は腎。

目は、さまざまな臓腑経絡が関係している場所なのです。

今回は、主に使い過ぎによる目の疲れ、特にIT眼症を取り上げます。

(ものもらいや結膜炎などは、省略します)

 

体質に合わせて治療しないと、かえって症状を悪化させることにもなります。

アナタどのタイプ?

 

スマホを見過ぎて目が疲れる(肝虚熱証)

・34歳女性。

スマホでブログの更新や、ゲームをするのが趣味。

比較的元気なタイプ

(ゲームのし過ぎで切れやすくなるのもこのタイプ)

 

体が冷えて、目が開かなくなってくる(肝虚寒証)

・38歳女性。

職場でクーラーに当たりながら、2台のパソコン画面を見て仕事をしている。

目の陽気がなくなるタイプ。

 

ものが見づらくなり、飛蚊症もある(腎虚)

・49歳女性。

平日はパソコンを使って事務の仕事をし、休日や夜は読書をする。

老眼、スマホ老眼と言われるタイプ。

 

肝虚熱証(疲れ)→肝虚寒証(消耗)→腎虚(過労)→心の変動(精神症状)

どこから症状が始まるかは人それぞれです。

脾虚の人が、気血の生成不足により肝虚寒証の症状から始まって腎虚になる場合もあります。

どのパターンにも共通して言えることは、

 

『心が変動を起こす前にケアしましょう!!』

 

心臓止まったら人間、死んじゃうでしょ?

なので経絡治療には「心虚証」はありません。

ただ、心のトラブルっぽく見えたら、真犯人は肝脾肺腎のどこかにいます。

 

 

子どものIT眼症や目の疲れによる視力低下の予防に小児はりもおすすめです。

子ども1回1,000円

学生1回1,500円

 

成長とともに眼球が大きくなる事によって、急に近視になってしまうことがあります。

小学校高学年から、中・高校生に多く見られます。

その場合は眼科にて、近視がどの程度の強さかを正確に調べ、メガネをかける時期や必要性を判断してもらいましょう。

 

スマホやゲームによる仮性近視の場合は、近くのものを長時間見続けることにより、ピント調節のための筋肉が緊張状態になることが原因としてあげられます。

長時間、近距離でスマホやゲームを見続けると、筋肉の緊張状態が続き、遠くを見たときに緊張が緩まず、ぼやけた視界になります。

近視ではないのにものが見えにくかったり、近視の程度が軽いのに視力が悪いなどの症状が見られます。

この状態を仮性近視といいます。

点眼治療もあるようですが、このような場合に小児はりもおすすめです。

ただし!スマホやゲームの使い方を見直すことは必須ですよ!!

 

当院で行っている経絡治療は、まず、予診票を書いて頂き、お話を聞きながら脈診、腹診を行って、上の図に合わせながらどのように症状が現れたのかを見ていきます。

 

精気の虚=五臓(肝、心、脾、肺、腎)が持っている精気の状態=その人の体質

病理の虚実=気・血・津液が足りないのか、流れが滞っているのか

寒熱の発生=病理の虚実によって、熱が発生しているのか、寒が発生しているのか

↑ここまでがその人の体質をみるときに必要となり、ここを治療することが根本治療(本治法)となります。

 

臓腑経絡に波及=病理の虚実、寒熱はどこに波及しているのか

病証=主訴

↑ここが患者さんが訴える症状になり、まず治療して欲しいところとなります(標治法)。

 

具体的な話は、それぞれのページに飛んでみてください。

 

ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)

 

参考文献:

日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編

日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編

図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲

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