治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
「冷え」にはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『冷え』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
足腰が弱く、夜中トイレに目を覚ますほどの冷え
42歳女性(初見12月)
主訴:足腰が冷え、時々腰痛もあるため来院。
目の周りが黒ずんでいる。唇も黒い。
声が小さくかすれている。
最近、白髪が増えたとのことである。
仙骨回りにうぶ毛が多い。
脈は弱くて、しっかり押さえると消える。遅い。
お腹は、凹んでいて、臍の下に力がない。
食欲もなく、ガリガリで若い頃から太れない。
特に足腰が冷える。
足がむくむ。
夜、トイレに目が覚める。
冬に症状が悪化する。
毎日寒い寒いと言っていたら、先日、友人に体が温まると勧められて岩盤浴へ行った。それからめまいや動悸がして辛い。
自分の体にあった健康法を知るためにも、通いたい。
①五臓の精気の虚
もともと体が弱い人は腎の精気が充実しているとは言えないため、早めに老化の症状が出てきます。
②病因
冬の寒さ
③病理の虚実
体に血や津液などのうるおいがないと、温度を保っておけません。(腎陰不足)
気が足りていないと巡らせることもできません(腎陽不足)
④寒熱の発生
体を温めるものが足りないために冷えます。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
腎の働きが弱ると、水分を調節することができず、むくみます。
腎と表裏関係にある膀胱の働きが落ちると尿をためておくことができません。
腎は足腰や骨の丈夫さにも関わってくるので、足腰が弱りやすくなります。
脾胃が飲食物を消化吸収するためには、腎陽が必要になるのですが、それが足りない状態なので、食事をとっても消化吸収できず、食が細くなります。
腎の陽気が足りなくなると白髪に、腎陰が不足して陽気が頭に集中すると抜け毛になりやすいです。
乏しい陽気が胸や頭に集中するため、動悸や不整脈、めまい、耳鳴りを起こしやすいのですが、多量の発汗により体の水分を失うとさらに熱症状が悪化し、手足は砂漠状態になって余計に冷えやすくなります。
⑥病証
もともと体があまり丈夫ではなかったため、温められずに冷えた状態。(腎虚寒証)
通院の目安
子どもの頃からかかりつけ鍼灸院を見つけて、しっかり養生のために通っていていただきたいタイプです。
養生することで、弱い体質の方でも大病することなく生活していくことが可能です。
寒い時期は2週間に1度、暖かい時期は月に1度くらいのペースで、体調管理のために通院するとよいでしょう。
もともとそんなに丈夫な体質ではないので、急に丈夫な健康体になることを望むよりは、無理なく快適に毎日が生活できることを望んでこまめに通われることをおすすめします。
普段の養生:早く寝て、無理をしない。
足腰を冷やさない。
片寄った健康法は危険なので、ごくごく普通な日本人の食生活を心掛ける。特に黒いもの(豆類、海藻類、魚介類など)をよく噛んで食べる。胃腸の調子が良くない時は消化に優しい暖かいものを選ぶ。
漢方は体に優しそう、と思って自己判断で安易に飲んでしまうと、かえって体を消耗させてしまうものもあるので、漢方を正しく選んでくれる専門家に相談すること。(病院で処方されても、医師が漢方に詳しくない場合は体質に合わないこともあります)
肝虚証さん、腎虚証さんは、温まると言われても、サウナ、岩盤浴、ホットヨガ…などの、汗を必要以上に絞り出す系の場所はNGです!!
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。
※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲