治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
疲れにはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『疲れ』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
疲れて朝起きられない
15歳女子中学生(初見9月)
主訴:朝起きられない、めまい
夏休みの終わりごろから、朝起きることができず、めまい、倦怠感がある。
学校へ朝から行くことが困難で、午後から行くことが多い。
病院では「起立性調節障害」と診断される。
昨年も夏休みの終わりごろから症状はあったのだが、今年は受験生ということもあり、少しでも何とかしたいと思い来院。
手足が細く、細長い体型をしている。
足は冷たいが、手は暖かい。
お腹を触ると、みぞおちからおへその上あたりに緊張感があり、胃の辺りが硬い。
夕方あたりから元気になってくるので、とりあえず塾には行って勉強している。
以前はスマホを夜遅くまで見て夜更かしすることが多かった。
氷をこっそり食べる習慣があり、お茶や水も必ず氷を入れて飲んでいる。
①五臓の精気の虚
成長期は飲食物を消化吸収して気血津液をたくさん作るために脾をしっかり働かせなければいけない時期なのですが、冷たいものを摂りすぎたり、いろいろと考えることが増えると脾の働きが悪くなり、脾の精気が虚してしまいます。
②病因
冷たいもののとりすぎ、受験勉強、成長期…(?)
③病理の虚実
脾の働きがわるくなると、体に湿がたまりやすくなり、それが体の重だるさやめまいの原因となります。
また、気が巡っていないと体を動かすことができません。
④寒熱の発生
体に冷たい水が増えたために陽気の発散がうまくいかなくなり、中途半端に熱が停滞した状態。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
脾が冷やされて水が停滞したことにより、陽明経の陽気の発散が悪くなります。
頭を働かせるには、頭に十分な陽気が巡ることが必要なのですが、巡るだけの十分な陽気が足りていません。
また、成長期なのに気血津液を十分に作りだせるだけの脾の働きも足りていません。
⑥病証
脾虚陽明経実熱証で、朝、頭に陽気が巡らないことによるだるさ。
午後から陽気が上がってくるので、午後からや夕方以降動けるようになるのですが、中年以降でこの証になる人は、熱の発散がうまくいかないために、関節炎をおこしたりカゼを引いたような症状が現れることがあります。
自律神経の働きが悪くて、朝起きるのが苦手な方も、このタイプが多いです。
1週間~2週間おきのペースで鍼灸を受けて、コツコツ脾の働きを改善しながら陽気が巡るように治療していきましょう。
普段の養生:胃腸を冷やす物を摂らない。
氷、アイス、冷やした飲み物、お刺身、生野菜などは控えましょう。
暖かいものを食べ、水分の摂りすぎに気を付けましょう。
夜の方が体が動くのでついつい夜更かしをしがちになりますが、眠れなくても明かりもスマホも消して体を横にして休ませましょう。起きて目や脳を使っているうちは、体がどんどん消耗していきます。
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。
※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲