治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
頭痛にはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『頭痛』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
産後、月経、更年期にからむ頭痛
38歳女性(初見11月)
主訴:頭痛、肩こり、生理痛
生理前になると頭痛がし、イライラしてしょうがないので来院。
ポチャッとしているわりに、手足は細い。
頬にシミが多く、アトピー性皮膚炎の既往歴がある。
脈は堅く弾んで、ツヤのない脈をしている。
お腹をさわると、下腹部にUの字型に抵抗があり、堅い。
子どもの頃からアトピー性皮膚炎で関節の内側を掻きむしっては、ステロイドを使用していた。
30歳のときに帝王切開で出産している。
元々は痩せていたのだが出産してから急に太り始め、生理前になるとイライラして頭痛がするようになった。
頭が痛くなると、子どもにあたってしまい、自己嫌悪になるので、何とかしたいとのことであった。
①五臓の精気の虚
関節の内側にアトピーが出やすく四肢が細い子は、脾が弱いことが多いので、もともと脾の精気が虚している体質と思われます。
②病因
ステロイドの長期使用や手術。
③病理の虚実
ステロイドを長期使用すると、腎の津液が虚して瘀血ができやすくなります。
手術や大きなケガの後、適切な養生を怠ると瘀血を生じやすくなります。
④寒熱の発生
瘀血が気血の巡りをブロックするため、体表面は冷えます。
熱は沈んだところで、停滞しています。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
冷えを感じていても、熱が全くないわけではないので、食欲もあり、便秘をすることもあります。
血が滞って流れが悪くなると、シミができます(肝斑)。
瘀血があると、頭に環を掛けて締め付けたように痛み、夜になると悪化します。
頭頂部が痛むこともあります。
全体的に冷え切っているわけではないので、下半身は冷え上半身には熱感があります。
生理痛は刺すような激しい痛みになることが多いです。
⑥病証
脾虚肝実瘀血証による頭痛
生理前に鍼灸に通って、気血の巡りをよくしましょう。
皮膚症状がなければ、好きな香りで全身アロマトリートメントをするのもおすすめです。
普段の養生:ストレスを溜めこまないように気分転換をする。
香りのよいハーブを料理に使ったり、ハーブティーを楽しむ。
アロマの香りを楽しむ。
適度に体を動かす。
甘いもの、味の濃いもの、油っこいものを食べ過ぎない。
産後、月経、更年期にからむ頭痛がさらに進行した頭痛
↑の人と同じ。
38歳女性(再見2月)
子どもが冬休み中のため、鍼灸はお休みをしていたが、1月末に来院の予定だった。
しかし、インフルエンザにかかりキャンセル。久しぶりの来院である。
子どもがインフルエンザにかかり、それをもらってしまってから体が寒くて寒くてしょうがない。
頭痛も常にあるのだが、以前の時のような頭痛とはちょっと違う気がする。
インフルエンザで寝込んだときに生理が来た。
①五臓の精気の虚
インフルエンザにかかったことで、肺の精気が虚してし待った状態。
②病因
インフルエンザにかかった。
③病理の虚実
瘀血がある状態のまま、肺虚=気虚になって、気が巡らなくなってしまった状態です。
④寒熱の発生
瘀血が気血の巡りをブロックしている状態のまま、気も足りない状態なので、体表面は冷えます。
血も巡っていないので、冷えを強く感じます。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
うるおいがなくなって瘀血になっているところへ、インフルエンザの熱が加わってさらに瘀血証が進行した状態です。
発熱しなくても、脾虚肝実瘀血証を放って置いて古くなっても、この状態になることがあります。
体表面を気が巡らないために冷えを強く感じます。
⑥病証
肺虚肝実瘀血証による頭痛
強く感じる冷えがとれるまでは、こまめに鍼灸に通いましょう。
冷えがとれて、いつもの体調に戻ったら、前回と同じようなペースで通院することをおすすめします。
普段の養生:体力が回復するまでしっかり休む。
冷やさない。
汗をかき過ぎないように、衣服や暖房の調節をこまめにやる。
あとは、脾虚肝実瘀血証の養生を継続する。
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
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※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲