治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
頭痛にはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『頭痛』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
前頭部の重だるい頭痛
40歳男性(初見12月)
主訴:二日酔い、頭痛
昨日の忘年会で、ちょっと飲み過ぎてしまい、朝から頭痛。
子どもが小児はりを予約していたので、ついでに見てもらおうと来院。
体格がよいイクメンパパ。
脈は大きく強い脈をうち、表面が硬く感じる。
体の中に湿がたまっていると脈はザブザブとして、パーンと張った硬い脈になる。
お腹をさわると、全体的に水っぽいのだが、臍と胸の中間程に抵抗を感じる。
営業職で付き合いで飲むことが多いのだが、昨日は会社の同期と気を使わなくてよい飲み会だったのでついつい楽しくて飲み過ぎてしまった。
普段は気を使って程々にしているとのことである。(奥さまの様子を見ると…本当かどうかは微妙)
甘いものを食べ過ぎたり、雨の日、雨が降る直前になると前頭部が重だるく痛むことがたまにある。
まわりの家族はメタボや生活習慣病を気にしてほしいようだが、本人は健康診断前にならないと気にしないようである。
①五臓の精気の虚
食べたり飲んだものを消化吸収させる働きを普段から使いすぎたために、脾の精気が虚してしまった体質です。
②病因
飲み過ぎ食べ過ぎ。
③病理の虚実
胃腸の処理能力が足りずに体に不要なものを溜め込んでいる上に、さらに痰湿の材料を取り入れたため、停滞。
停滞したものが熱を持つと脾の津液を乾かすためにさらに働きが落ちます。
④寒熱の発生
体に溜まった余分なもの、飲食物のゴミや老廃物が停滞すると熱を発生させます。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
発生した熱によって胃がさらに熱をもつと食欲が亢進して、食べ過ぎたり飲み過ぎてしまいます。
熱が陽明経の経絡に波及すると、前頭部が張ったように重だるくなったり、鼻炎や副鼻腔炎によって顔面が痛くなることがあります。足の脛が張って、むくんだように感じます。
熱が少陽経の経絡に波及すると、側頭部が張ったように痛くなります。
便秘をしやすいのですが、熱が過剰になり過ぎると熱を出すために下痢をし、出してしまうとスッキリするタイプです。
⑥病証
脾虚胃実熱証による前頭部の頭重感。
鍼灸を受けて、胃腸の働きをよくし、お小水の出をよくすることによって、体に溜まった湿熱を追い出しましょう。
禁酒して、甘いもの油っこいもの、味の濃いものを控え、あっさりした和食をよく噛んで食べて休みましょう。
生活習慣病の予防は食生活の改善が第一。
鍼灸に通っても普段の生活が酷いと、ダイエットも病気予防も無理です・・・。
健康でないと、いつまでもお酒も食事も楽しむことはできません。
病気になって好きなものが禁止になるまえに、いつまでも好きなものを楽しめる生活習慣を身に付けるほうが良いかと思います。
月に1度は鍼灸を受けて、自分の生活を振り返る時間を作ってみる、というのもいいかもしれませんね。
甘いも、油っこいものを食べすぎた後、湿度の高い夏に重だるい頭痛になる人も脾が弱っていると考えられます。
食べすぎに気をつけて、湿度が高い季節になる前に水はけの良い体作りをしましょう。
普段の養生:食べ過ぎ飲み過ぎに気を付ける。
食事はお腹が空いてから。ダラダラ間食をしない。
どうしてもお腹が空くときは、野菜ジュースや野菜スープを軽く飲んでみる。
よく噛んで食べる。
食事は腹八分目まで。
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
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※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲