治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。
子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
頭痛にはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『頭痛』
では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。
冷えて割れるような頭痛
35歳女性(初見10月)
主訴:頭痛、冷え
寒くなってきたら頭痛が悪化してきたため来院。
痩せていて顔は青白く無表情。
話しかけても常に悪い方に悪い方に物事をとらえていく。
落ち着きなく常に手足が動いている。
脈は沈んで弱々しく遅く、ツヤのない脈をしている。
血圧を測ると、95/62mmhgと低い。
いつも血圧は低く、朝起きてもしばらくボーっとしているとのことである。
お腹を触るとやせ細って力がない。
脛の内側が、脛骨の際にそってべっこり凹んでいる。
足先は湿っていて氷のように冷たく白い。
朝はやっと起きて支度をして出かけるのが精いっぱいで、ごはんは食べられない。
会社で事務の仕事をしている。
夏場は、営業から帰ってくる男性社員がクーラーを強めにかけるために、年がら年中体は寒い。
夏は仕事から帰ってくると目の奥から首の付け根にかけて痛んだが、最近は通勤時の寒さで朝から頭痛がし、仕事中にパソコンの画面を見て仕事をしようにも目を開けていられない。
このままでは冬になるとどうなるのか不安とのことであった。
①五臓の精気の虚
気血津液を作り出す脾の働きが弱い体質です。
②病因
陽気を体に取り込む夏にクーラーに当たって冷え、陽気が補充できないまま、寒い季節になる。
③病理の虚実
脾の消化吸収能力も低いのに、胃の陽気も乏しいので、食欲もありません。
そのため、気血津液を作り出す材料も吸収することができないので、体に必要なものがすべて足りていない状態です。
④寒熱の発生
気血が巡っていないと体は冷えます。
~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~
⑤臓腑経絡に波及
陽気が虚しているため、体の陽の部分(つまり四つん這いになったときにお日さまの当たる部分)が非常に寒く感じます。
肩や後頚部に強ばりを感じます。
体をめぐる物質も足りていないので、脛の内側が脾経の経絡に沿ってべっこり凹んでいます。
下痢をした後に、疲労感があります。
⑥病証
脾虚寒証による頭痛
鍼灸で体を温めて、脾の消化吸収能力をUPさせましょう。
鍼灸を1週間~2週間おきに1回のペースで通院しましょう。寒証の人は根気よく通うことが必要です。
しっかり食べて、体を動かせるようになると通院の間隔をあけても良いかと思いますが、まずはこまめに通って、暖めて頭痛を取り除くことを優先させましょう。
ツボの取り方を教えてもらってセルフ灸などを生活に取り入れてみるのもおすすめです。
あったかグッツを購入して活用するのは良いのですが、健康食品は胃腸がちゃんと消化吸収できるようになってから摂らないと無駄になる可能性が大です。
まずは体を温めることと鍼灸を試してみましょう。
普段の養生:冷やさない。冷たいもの、生ものを食べない飲まない。
22時前には布団に入って横になる。
暖かいものをよく噛んで食べる。
足元はストッキングやタイツだけでなく、吸湿性の良いシルクやコットンの靴下を重ねてみましょう。足が湿らないというだけでかなり暖かいです。
楽しいと思えることをする。
単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。
自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。
予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。
※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲