子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。
手湿疹、手荒れにお悩みのお母さん、多いですね。
というわけで、10回に分けて対策をお伝えします。
第2回目は、悪化の原因が『食生活の不摂生』の方。
東洋医学で言うと、
皮毛を主るのは⇒肺
食べたもののカスを排出するのは⇒大腸
皮膚と消化管は表裏関係にあります。皮膚の状態が自分の消化管の状態と思ってください。
そして、四肢をつかさどるのは⇒脾
脾とは消化吸収作業をしてくれる臓とお考えください。
しっかり食べた物を消化吸収して隅々まで栄養が運ばれることによって、体の末端である四肢もしっかりすると考えています。
『手』は四肢の末端ですね!
食べたものは胃で噛み砕かれ、十二指腸と小腸で消化液と混ざり、糖類はグルコースに、脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに、たんぱく質はアミノ酸に分解され、小腸の毛細血管、リンパ管に吸収されます。
リンパ管にはリンパ球がいます。
ここで、たんぱく質がアミノ酸にまできちんと分解されずに腸の血管に吸収されると、体は異物が入ってきた!と思って攻撃を始めます。
この攻撃、異物だけを狙えばいいものの、命中率が悪いんですね…。
周辺の正常な細胞にも攻撃が飛び火してしまいます。
この飛び火が「炎症」となるのです。
異物退治に集まってきた抗体が、自分の正常な細胞まで傷つけて炎症をおこします。
なぜ、分解されてない、大きいサイズだったのに吸収されてしまったのか?
自分の消化吸収能力をオーバーして食べ物を取り込むと、体の中に消化できずにたまった消化不良の食べ物が腐り、活性酸素が発生して、腸管のバリアを破壊しているんですね。
大人になってからの食べ物のアレルギーとか食あたりって、体調が良くない時とか、疲れている時に、無理してご馳走を食べると出ませんか?
牡蠣とか、牛肉とか、チーズとか…………・。
消化に時間のかかる牛肉や硬いもの、進化の過程で早くに人間とは別の生き方を選んだ魚介類、などは胃腸に負担となったり、異物と認識されやすいために、調子の悪い時に無理して食べると炎症の元となりやすいのです。
『消化能力をオーバーしないように食べる』
これが、腸管を守るために大事です。
そして、
腸管を守る=皮膚を守る
です。
~皮膚&胃腸を守る食べ方~
腹八分目
・食べた後ねむくならない。
・お腹がはらない。
・食べる前と同じように動けて考えられる。
これが、自分の消化能力に見合った食事の量です。
そう考えると、年齢・性別で推奨される栄養素の量とは違ってくると思います。
同じ年齢・性別でも、その人の消化吸収能力はバラバラだからです。
その日その日によっても、量が変わってくるかと思います。
調子いい日も悪い日も同じように食べていたら、調子悪い日に食べたものは消化しきれませんよね。
そして、調子の悪い時、疲れている時は、消化の負担になる摂り過ぎたら危険なものを控えましょう。
・甘いもの
胃腸にベトベトはりついて、働きをにぶらせます。とくに、チョコレートは最悪。
治って丈夫になったら食べられますので、治したい方はしばし我慢!
・油っこいもの
胃腸にベトベトはりついて、働きをにぶらせます。
・香辛料
炎症=熱のもと。胃腸の粘膜を傷つけます。
・洋食、加工食品
油っこいので、和食に馴れている日本人には不向きな食べ物。
加工食品は添加物が多いので、それだけで胃腸には負担です。
症状がひどい時は食べるのをお休みしましょう。
・お肉
豚肉は、人間に近いたんぱく質なので、大丈夫。
体格の大きい牛は超超超栄養の固まりのような肉。たくさん食べると栄養の摂り過ぎて、容量オーバーします。
羊は体を温めてくれて、女性の肉と言われるくらい、冷えている人にはおすすめなのですが、湿疹となると話は別!
炎症=熱です。熱のこもるようなものは控えましょう。
鳥は、豚よりも人間から遠い存在なので、様子を見ながら。本当に状態のひどい時はやめておいた方が無難です。
たんぱく質は「お豆腐」が安全。(大豆アレルギーの方はダメですけどね)
・牛乳&乳製品、
日本人は乳製品を消化する酵素を持っていないため、胃腸に負担となりやすいです。
とくに、先にあげた甘いもの・油っこいものと合わさっているクリーム、ケーキ、クッキーなどはキケンですね。
クロワッサンやパイなども、バター、お砂糖たっぷり。要注意です!!
じゃぁ~乳製品を使っていないマーガリンはどうか?というと、さらに悪化しますので避けてくださいね。
・卵、魚介類
人間のたんぱく質とはかなりかけ離れた存在のたんぱく質なので、体は異物扱いしやすいです。
・和風だしの素、魚介エキスの入った食べ物
和食なんて作れないから、レトルトで~、冷凍食品で~、お惣菜で~、なんて食べていると、意外に毎日摂取しています。
知らず知らずのうちに過剰摂取になりやすいので要注意。
・生もの、冷たいもの
胃腸の働きをダウンさせます。
・コーヒー
胃腸の粘膜が弱ります。交感神経と副交感神経の落差が大きい人は要注意。
・アルコール類
胃腸の粘膜によくありません。胃腸に熱がこもります。炎症の元。
これらの危険食材は、症状が改善してきたら、たまにちょっと食べる、くらいに戻してみます。
治ったからと言っていきなり、以前と同じように食べるのはキケンです。
すると、ああ~、私、これくらいの体調の時は、これ食べても大丈夫。
ああ~、これが1番危険だな、気を付けよう。
と言うのが感じられるようになってきます。
何を食べるか?
・葉もの野菜を多めに…根菜類は胃腸に重たいのですが、葉もの野菜は軽く、腸内をデトックスしてくれます。
・味付けは薄味で…食べ過ぎも防げます
・小腹が空いたら…野菜ジュースやちっちゃいおにぎりくらいにしておきましょう。
・よく噛む…噛まずに食べるとそれだけ胃腸の仕事が増えます。30回~50回よく噛んで!
・食べ物のバランス
穀類(いも。かぼちゃ、根菜含む)4~5割
葉もの野菜(海藻、きのこ含む)4割
たんぱく質1~2割
見た目、こんな感じであれば、だいたいちょうどいい割合になります。
このバランスで腹八分目になるように食べましょう。
消化しきれなかったものは腐るんです。
腐ったものは腸管を傷つけ、異物を体内に侵入させます。
不調が不調を招いて、腸内にはどんどん腐敗したゴミが溜まっていきます。
腐敗したゴミは熱を発生させます。
この熱、食欲を亢進させるのです…。
消化吸収能力が落ちているのに、
食べる⇒腐る⇒熱発生⇒お腹空く⇒食べる…悪循環
体は溜まったゴミを出したくなります。
でも、胃腸の調子が弱っていると、大腸は押し出せなくなるんですね…
皮膚からは多少いろんなものが蒸発しています。
ゴム手袋履いていると、蒸れますよね。
毛穴、汗腺も、排出口です。
大腸から出せないのなら、皮膚の排出口から出てやれ
となって、現れるのが、ジクジクの湿疹やニキビ。
そして、自分の弱いところに症状が出る。
手の皮膚が弱ければ手湿疹となるわけです。
便秘するとお肌が荒れる、ってよく言いますよね。
かゆ~い水疱ができる手湿疹にお悩みの方は、ここ重要です!