こんにちは。
札幌 西区 子どもを元気に、ママを笑顔にするセラピスト 小川です。
鍼灸治療に関するいろいろな情報を集めていると、特に最近多いな~と感じるキーワードがこの3つ。
「発達障がい」「認知症」「不妊」
増えたからなのか、昔からあったけど知られていなかったのか…?
このよく耳にするようになった3つには、共通点がなさそうに見えて、私たち東洋医学を扱う人間から見れば、しっかりと共通点が見えます。
それは『腎』の不足。
これは腎臓の腎ですが、いわゆる解剖学でいうところの腎とは少し違います。
西洋医学が輸入された時、翻訳しなければならなかったため、元々あった東洋医学の言葉を、西洋医学に当てはめたのです。
ですから西洋医学で言うところの腎臓とは分けて考えてください。
先天の本…両親から受け継いだ、生まれ持った生命エネルギーを貯蔵しています。
精を蔵す…生まれ持った生命エネルギーは、飲食物を消化して取り出したエネルギー源によって補充され、体の元気の元となります。
津液をつかさどる…津液(しんえき)とは、身体のうるおいのことです。そのうるおいを調節しています。
納気をつかさどる…肺が吸った酸素を体の深くにまで届ける働きをしています。
「作強の官、技巧これより出づ」
さきょうのかんと言われています。作強とはコツコツ根気の必要な細かい作業を行う役職のことです。
腎がしっかりしていれば、動作も力強く、精神は充実し、筋骨が強く、病気もしないため、根気を必要とする作業をやりぬく力もわいてきます。
脳は髄がたくさん集まっているところということで「髄海」と呼ばれます。
髄は、骨髄も指しますが、脊髄や脳、目の中、感覚神経なども含むとイメージしてください。
(運動神経や自律神経は肝の働きが多いので別に考えます)
腎にしっかりとうるおいが満たされていれば、骨の関節もスムーズに動き、脳もプルプルして、神経の情報の伝達もスムーズになりますが、身体がどんどんうるおいを失っていくと、これらの動きはスムーズに行かず、ぎくしゃくしてきます。
腎は身体の下の方でどっしりと構えている臓です。
ココロや気持ちがフラフラしないように重りの役割を果たしています。
しかし、腎が弱ってくると重りの役割を果たせなくなり、ちょっとしたことでもココロがフラフラして、ビクビクしたりオドオドするようになります。
関係の深い部位、感情をよくみると……、発達障がいや認知症とかかわりがありそうですね。
それについては次回、書こうと思います。
最近、CMでもよく耳にしますね、女性は7の倍数、男性は8の倍数で体が変化してくる。 これは黄帝内経素問という、東洋医学の基本の基本となる古典の書物に書かれている「上古天真論」という文の一部です。
女性:
7歳(1×7)腎の気が旺盛になり、歯が生え代わり髪が伸びる。
14歳(2×7)月経が始まり子を作れる。
21歳(3×7)親知らずが生え、成長が極まる。
28歳(4×7)筋骨がしっかりし、髪が黒々とし、身体はピークを迎える。
35歳(5×7)老化が始まり、顔はやつれ始め、髪は抜け始める。
42歳(6×7)顔はやつれ、髪は白くなり始める。
49歳(7×7)閉経して子を作れなくなる。
男性:
8歳(1×8)腎の気が旺盛になり、髪は伸びて、歯が生え代わる。
16歳(2×8)射精が始まり、子を作れる。
24歳(2×8)筋骨が丈夫になり、親知らずが生え、成長が極まる。
32歳(4×8)筋骨は隆盛、身体はピークとなる。
40歳(5×8)老化が始まり、髪が抜け、歯が弱くなる。
48歳(6×8)顔がやつれ、髪やヒゲに白い物が混じる。
56歳(7×8)筋肉が衰え、精が少なくなり、腎自体が衰える。
64歳(8×8)歯や髪が無くなる。
漢文を訳すると、だいたいこのような内容です。
これは、腎がピークを迎えて衰えていく目安を書いていますが、自分の体を大事にしているか、無駄に消耗させているかでスピードは変わってきます。
いつまでも若々しい人は、腎の衰えが少ないか、蓄えが豊富だったか、もって生まれた腎が豊富だったか…。
逆に、早くに老け込んでしまう人は、腎の消耗が激しかったのか、蓄えが少なかったのか、もって生まれた腎が少なかったのか…。
幼少期に弱々しく病弱だった、成長のスピードがゆっくりだったという方は、もって生まれた腎が少なかったのかもしれません。
しかし、その後の養生次第では、老化のスピードは変わってきます。
身体のピーク時に、充実した毎日を過ごし、ゆっくりと年を重ねていくには、腎は非常に重要な臓なのです。
そして、このざっくりとした訳を見てもわかるように、身体の発達、腎の充実していく過程と、子どもを作れるか作れないかは密接な関係があります。
不妊については、次の次に書こうと思います。
最近は腎を消耗する生活が増えてきました。
そりゃぁ~、そんな生活して、そんな食事をしていたら!と思うこともあり…。
「まずい!」と危機感をお持ちの方だけでも、腎を消耗させない生活のコツが伝われば、上に挙げた3つのキーワードで困る方が少しは減るかな?と願っています。
続きます。